評価ボード調達進捗状況
FPGA内部の論理の作成が一段落したため、FPGAボードへの具体的実装やホストPCとの接続の検討を開始しました。
まずはボードの調達。世の中にいろんなFPGA評価ボードというのが出回っているので、用途に合うものはないか探し始めたのですが…
以前にもざっとはチェックしており、数万~十数万円くらいだろう、と踏んでいたのですが、これらはみな搭載チップが小さいことが判明。(チェックしたのは合成かける前だった。)XC5VLX85以上のチップ搭載というのも数少ないながらあるのですが、50万とか60万(円)とか。
高!
あっさり稟議否決になってしまいました。
おまけに「企業のお客様が対象」というところが多く、個人で買うのは難しいかも、という状況も判明。
Virtex5だから高いのか?と思いVirtex4やSpartan3のボードも探してみました。V4の方はV5とあまり状況変わらず。S3はそもそも大きいチップ搭載のボードが非常に少ない。いちおう3A3400DSP付きで$995、というのを発見。3400ってゲート数入るか微妙なんだけど、うーんしょうがないから何とか論理削れんか考えてみようか…ところでこれ個人に売ってくれんのかな、ていうか在庫あんのか、というあたりを来週チェック予定。
なおV4, S3でも全く同じRTLで合成かけてみたところ、結果は以下のとおり:
Virtex5 XC5VLX85 37MHz area ratio = 96
Virtex4 XC4VLX100 25MHz area ratio = 55
Spartan3 XC3S4000 12MHz area ratio = 90
V4はエリア余裕あるので、LX80(orもしかして60)でも入るかも。V5,S3は上記より小さいチップはだめっぽいです。性能はご覧の通り3:2:1くらい。
前回は「1500万局面/秒」と大風呂敷を広げてしまいましたが、公取委から不当表示の警告を受けそうなので、謹んで訂正致します:
[訂正版] A級リーグ指し手1号の性能予測
特上 1500万局面/秒
上 1000万局面/秒
並 500万局面/秒
(※数字はイメージです)
じゃ、私は並で。
となりそう。
仕事でFPGAに関わってる友人I氏にこのあたりの話を聞いてみたのですが、更に衝撃の事実が。彼曰く(※プライバシー保護上、音声は変えてあります):
「大きいチップって、カタログには載ってても実際に頼むと物なかったりするんだよね。ロットで頼むような大口の客だと出すみたいなんだけど、試作で1個とか頼んでも出てこないんだよ。」
何じゃそりゃー!! (裏手つっこみ)
ロットって、65nmウェハーのロット?それなら軽く1千万は超えるはずだし。
まあそういうもんなのかもしれませんが。
というわけで、並すら入手できないかも。…いやいや、てなこと言ってちゃあかんのですが。
うーん困ったな。どうしよっか。とりあえずAlteraも合成してそっちもボード探してみようかな。Quartusいじったことないけど、まあ何とかなるだろ。でもボードの状況はあまり変わらんような予感もしたり。
そういえばツールの問題というのもあって。ISEだとLX50までは"ISE WebPack"というので無料なんですが、それより上だと"ISE Foundation"になって20万くらいするし。お試しでやるぶんにはまあつてをたどって何とかしたんですが、本格的にやるとなるとそうも行かんし。QuartusIIはCycloneならWebEditionで全部OKのようなので、こちらを探すべきか。
いやーしかし地雷踏みまくってますねーはっはっはっはー。
まあうすうす予想はしてたけど。
てなわけで次号へ。
« 将棋プロセサ 「A級リーグ指し手1号」開発中 | トップページ | 評価ボード調達進捗状況 エピソード2 サイクロンの台頭 »
「将棋プロセサ」カテゴリの記事
- ボンクラーズの開発過程について書いた記事が掲載されました(2019.03.07)
- 「浅い評価値を深い評価値に近づける学習法」誕生の背景(2016.10.06)
- 塚田九段の対ボンクラーズ練習棋譜を公開します(2013.09.07)
- Puella α ソース公開(2013.08.28)
- クラスタ並列の解説記事を公開します(2013.08.22)
« 将棋プロセサ 「A級リーグ指し手1号」開発中 | トップページ | 評価ボード調達進捗状況 エピソード2 サイクロンの台頭 »
コメント