なんでまた『オープンソースで学ぶバイオインフォマティクスほしい』のか?
うさねこブログで宣伝(?)を見まして。けっこう興味あったりします。
http://itoshi.tv/d/?date=20080219
私はバイオという分野自体についてははっきり言って門外漢です。が、そこで行われている計算に興味があります。オープンソースならまあ計算の中身については多少はわかるでしょうから(なぜそういう計算をするのか、がわからなくても)。
バイオに限らんのですが、今現在は100%ソフトで行われている計算を、FPGAで専用ハード作れないか?そしたらなにがしかメリット出せないか?という観点から見てみたい。
ここ半年あまり、私は(それまでは100%ソフトでやっていた)コンピュータ将棋をFPGAで実現する、という目標に向けていろいろ試行錯誤してきました。その結果、思ってたよりも簡単にFPGA化が実現でき、しかも性能が(まあ単純比較すれば)ソフトの10倍以上出せそうなことがわかってきた。もちろん将棋の場合は「強く」ないと製品としてはNGなわけで、将棋として強くする工夫はまだまだ必要でしょう。ですが、研究と製品開発、とフェーズを分けて考えると(私は企業のエンジニアなのでこういう見方をついしてしますのですが)、実現のfeasibilityを示す、という研究面では一応成功した、と言えるかと思います。これから強くする工夫を含む「製品開発」フェーズがあり、それはそれでもちろん大変なわけですが。
で、コンピュータ将棋の「製品化」作業は進める一方で、「他にFPGA化できそうなものってないのだろうか?」という、別の「研究」対象探しに興味が多少向かっている、というわけです。
今の実社会でのFPGAの使われ方を見ると、今までASIC(カスタムLSI)で作ってたものを、開発費の安いFPGAで置き換える、あるいは今まで汎用マイコン+外付けグルーロジックで作ってたものをFPGAでまとめて小さく作る、といった、いわば「ハードを別のハード(FPGA)で置き換える」という例が大半なんじゃないかと思います。ソフトをハードで置き換える例というのはあまりない気がします。まあ私の知らないところでいろいろあるのかもしれませんが。
コンピュータ将棋のFPGA化を通じて、私は「これはものすごいポテンシャルあるかも」と感じました。もちろん、FPGAにはソフトと比べていろいろ制約がありますので、何でもFPGA化するわけにはいかない。FPGA化に向いたものと向かないものがあるだろうと思います。なので、計算インテンシブな分野をひとつひとつ見ていき、対象になりそうなものがないか探していこう、と画策してるわけです。
バイオはその手はじめ。他にもいろいろあるんでしょう。計算化学なんてのも面白いのかも。素因数分解なんかも実はやってみようかとちらっと思ったんですが、最近WEB見直してみたら、RSA Challenge(素因数分解に賞金出してた)が去年終わってたようで、なーんだ残念、賞金出ないとやる気出んなー、などと思っていたところ。
こういうことをやるにあたって最大のネックは言うまでもなく、ハード設計のできる人間がバイオなり化学なり代数なりをある程度は理解しないとならん(あるいはその逆)、というところ。私はコンピュータに関してはハード・ソフトとも一応わかってるつもりですが、バイオも化学もまるで素人ですから。ただ、100%理解する必要はなくて、要はそこでどういう計算が行われるのか、だけ理解すればいいわけで。何とかその辺を「少ない工数で、計算部分だけ理解」といかないかな、などと考えてるわけです。まあそうはいってもなかなか難しいんですが。
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