落下傘営業ブルース
大会中はニュースも新聞も見てなかったですが、キヨシロー先生逝ってしまわれたんですか。うーん…
俺は愛し合ってるぜ、ベィベェ!
<いや普通に悼んでるつもりなのだが、こう書くと単にあぶないのはなぜだ
大会のことをつらつら書いてみますか。といっても、実は対局はあまり見てなかったんですよね^^; いろんな人とあいさつしてたり話してたりするうちに時間過ぎちゃいまして。それに最近はfloodgateでも、よほど気合入れて「悪手見つけて、改善点探すぞ!」と思ってないかぎりは観戦はしてません。ずっと見てるの疲れるし^^;;; というわけで、将棋の内容はパス。まあ私が見てても既にあんまりわからんし。
去年からの変更は、ブログで書いたとおりボナメソの真似事をしたのと連続対戦やったのの他、Bonanzaソースを見てまたパクれるとこないか探しました。でfutility pruningを改良したり、LMRを入れたり、延長深さを多少変えたり。recaptureで同じ駒なら少し深さを増やす、というのもあったのでやってみたんですが、これはうちでは勝率下がってしまい、入れたんですけど後でまた外す、なんてこともありました。
あとハードもCyclone III 120 からStratix III 150 に変わってます。去年は15.6MHzで、デバイス変更で1.5倍程度速いはずですが、学習で評価関数が重くなったぶん速度が落ち、結局今年は20MHz。10Mnpsです。この「nps」は、手を指した回数。静止探索もぜんぶ入れてます。評価関数を呼んだかは関係なし。ソフト的に言うなら MakeMove() を呼んだ回数、と言えばいいでしょうか。ボードは例によって 協賛:立野電脳(株)、です。
大会後しばらく大会バージョンでfloodgateやってましたが、80数局やってR1800ちょい。24でいうとアマ二段てことですか。強ぇじゃん俺より。マイムーブにはかなり追いついたような気になってましたが、まだけっこう負け越してますね。本番で勝てたのはラッキーでした。R300差のKShogiに勝てたのは、私が言うのも何ですがはっきり言って不思議。やっぱ「KShogiシフト」になってたんですかねぇ。といってもやったことは、設定可能なパラメタをいろいろ変えて組み合わせを試して(各組み合わせ 6-10 戦くらい)、対KShogi中級でいちばん勝率よかったものを選んだ、というだけのはずですが。別のソフトとやってたらまた組み合わせ変わるんでしょうか。
印象に残ったのは、若い人の新規参入が多かったことかな。小幡さん、akiさん、tohskeさん、isseiさんら。頼もしいかぎりです。しかし最近の学生さんはしっかりした人が多いですね。学生だった私はもっと世間知らずでもっと無礼だったような記憶がありますが。
大会前夜は池袋サンシャインに泊まってました。高そうなイメージありましたが、早割で9000円とまあまあ。いや別に目の前が乙女ロードだからとかそんなんで選んだとかそういうわけじゃないんですよ決して?会場の関係で都電が便利なのでその沿線、ということで探しました。
3日めは懇親会というものに初めて出ました。今までは1日めなり2日めなりが終わるとすぐ帰ってたんですが、早稲田なら1回帰ってまた来れるので、出てみました。皆さんといろいろ話せて&話が聞けて、ほんと楽しかったです。近場で1000円なら来年も出たいですね。私もなぜかしゃべらされて、また風呂敷広げてました。高田馬場駅は発メロがアトムでしたね。何かゆかりあるのかな?駅で女子大生らしき集団が別れのあいさつで「ぐゎし!」とやってたのが謎。今千九百何年だっけ?
大槻さん自戦記でも触れられてまして、いやー恐縮です。ほんと今回は朝いちのエレベータでしかお話しできませんでしたね。「Bonaの評価関数そのままハードにできないの?」は保木さんからも聞かれたんですが、大量のメモリを読むのは1サイクルに1つずつしかできないので、ハードのメリットが出ないんですよ。GPSのように細々とした特徴を積み重ねてく方が、(メモリでなく)ゲートで作れる部分が大きいのでハードには向いてると思っています。そうそう、gps_lの評価のソースも研究しないと。
* * *
大会はこのくらいで。大会後の例会で、金子さん講演に行ってきました。棚瀬さん山下さんも来ていて、注目度高かったですね。参考になることは多かったですが、学習の細部のノウハウがいちばん自分の無知を痛感してましたか。神は細部に宿る。50ステップでPVを決める探索は最初の1回だけ、にはびっくり。いいの、それで!?学習の「歩幅」も、ものすごい小さな値でスタートしてました。私は学習始めたのが遅くて、短期間に収束させなきゃとあせっていたこともあって、歩幅けっこう大きめにとってたんですが、めちゃくちゃ大きすぎだったようです。今のAリーグの学習はほんとにでたらめなことばかりやってて、とても「学習」と呼ぶのがおこがましいような状態なので(某ブログには「仰天もの」とか書かれてましたが^^;)、この辺は改善余地大きいと思います。
さて大会終わってしばらくのんびりしたかったんですが。大学・研究機関向けにLSI試作サービスを行うVDECという組織があり、そこのフォーラムというのが6月初めにある。で締め切りが5/13で、それへの参加を検討して、結局出ることにして準備始めて、という状況で、大会直後からまた忙しくて全然のんびりできておりません。どうしてくれるんだ一体(>誰?)。
ショート講演とポスターセッションとありまして、図々しく両方申し込んでます。上記リンクにタイトル載ってます。いやー何かもしかして浮きまくるんじゃないかと心配^^;;; ちなみにこのフォーラム、知り合いは恐らく一人もいないです。そういうとこへ一人で宣伝しに乗り込むという、いわゆる落下傘営業。まあ押しかけて説明しにいき、ほとんど相手にされず邪慳にされて帰ってくるというのは実は仕事でよくあるのでまあいいんですが。日本とかフィリピンとかに行って布教してたイエズス会の宣教師とかの気分?
ただポスター作るのだけはやったことない。パワポのプレゼンはよく作るんですが。でググると、大学院生向けらしきでポスターの作り方指南してるページてのがけっこうありまして、それらを参考に作ってるところ。A0印刷について新宿の出力センターを探して店に行って相談しに行ったり、とかしてます。
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早稲田大学で行われた、第19回世界コンピュータ将棋選手権。昨年に引き続き、現時点でリリースされている開発者の自戦記をひととおり列挙してみますので、皆さんもぜひご一読を。
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お疲れさまです。
Bonanzaのように超多次元ベクトル演算でJ'を下げるやり方が効率的だとFPGAの優位性が決め手にならないかも? と思っていましたが、GPS方式がFPGAに向いているということで、これからも期待しています。
VDECデザイナーズフォーラム、確かにコンピュータ将棋は異色かもしれませんが、大学関係の発表が多いようですし、プログラムに載ることでいろいろな分野の参加者の呼び水になるのでは? 第2、第3の将棋ハードが生まれることを楽しみにしています。
投稿: 山田 剛@CSA | 2009年5月23日 (土) 23時53分
フォーラムはほんと、どういう反応が返ってくるのかさっぱり見当がつかないんですよ。戦々恐々としてますが、まあとにかく出てきてみます。学生・院生が多いそうなので、将棋ハードを論文ネタにしようと思う人が出てくれればいいんですが。
投稿: 伊藤@A級 | 2009年5月24日 (日) 08時54分
学習の歩幅ですが、後から考えると不正確だった気がします、すみません。GPS将棋ではfeatureの勾配を歩幅に乗算していますので、元々の歩幅自体は小さめにする必要があります。Bonanza流で勾配の符号だけみて固定幅で動かすならばもっと大きくて良いはずです。
A級リーグの進歩が楽しみです。
投稿: kaneko | 2009年5月25日 (月) 13時26分
わざわざフォローありがとうございます。
えーと、てことは…gpsの学習のソース見た方がよさそうですね^^; あ でもBonaのlearn1/2.c見たときは、妙なスケールとかあって具体的な値がいまいちわからなかった苦い記憶が…まあ学習のプログラムを実際に動かしてダンプしてみる、とかやってみますか。
投稿: 伊藤@A級 | 2009年5月26日 (火) 09時09分