ボンクラーズ、デビュー
年末にどうやら連続対戦でほぼコケないまでになり、さっそく元旦からfloodgateに投入しました。bonkra_s です。名前からは「もしや、あのお三方の合議システム!?」とか思われた方もいらっしゃるでしょうか。豆ちしきー うちらの名前は、ボナンザクラスタ、からとってるんやでー
ゆくゆくはFPGA(/ASIC)を念頭に置いて開発してるんですが、並列ソフトデバッグの段階で12月になってしまったため、ハードの改造までは次の大会には間に合わない。でどうしようかと考えたんですが。マスター側とスレーブ側がありまして、スレーブというのはマスターから(局面、α、β、深さ)を受け取って探索して結果を返す、をひたすら繰り返します。ということは、別にFPGAでなくてもたいていの将棋ソフトならわずかな変更でスレーブになれるんですよね。そこで、ボナをスレーブ向けに改造。ボナソースへの修正量はわずかで、1週間足らずでできました。
ボナ自体を改良するのは私にとっては本題ではないのでやるつもりはありません。あくまで、マスター側開発のスタブとしての位置づけです。GPSもライブラリになるようなので、余力があったらジピクラーズもやってみますかね。(難しいかも^^;)
PCはこのために自作しました。i7 860 \27k, MB \10k, GB \3k, メモリ \5k, HDD \5k, ケース+電源 \6k。計 \56k。光学ドライブはこんなこともあろうかと外付けを持ってるので不要。OSはLinuxなのでただ。クラスタ並列実験専用と割り切って最小限の構成です。
このPCで動かして、現在floodgateでR2300程度。本家ボナ4coreが今R2700近いのでこれではまったく意味ないんですが、いろいろクラスタ化のオーバーヘッドがあったり、まずは動かすために探索をはしょったりしてる部分があるので今のところこうなってます。この辺はこれから改善を試みていく予定。
スレーブ1コア対4コアでざっとですが性能を測ってみたところ、約2倍(問題を解く時間が半分)。いちおうルートNは出てるので、ひとまず安心です。といってもルートで満足してはいられないので、ここも要改善ですが。せっかくのクラスタ並列なので100コアとかもやってみたいところですが、これはマシンを使う機会があったら、ですね。なお、floodgateでは運用の手軽さという面から全プロセスi7上ローカルで動かしてますが、マスターを別マシンにしてネットワーク越しに試しても性能はほとんど落ちませんでした。これは良いニュース。まあ、そうなるように工夫して作ったつもりなので、なってくれないと困るんですが。
ちなみにHTで8プロセスにすると4より遅くなりました。たしかGPSでは8の方が速かったと金子さんが話していた記憶がありますが、ここはプログラムによるんでしょうか。
数十局やったところで少し改善を入れてみたらバグで落ちたため、ひっこめて調査中。もうデバッグはいいかげん疲れてるんですが^^; 実はバグがあるうちからfloodgateでお試しで流してました。isaneとshigekuniがそれ。コア数によって分けてます。これらはtime upやらabnormalやらでぼろぼろ負けてます。今後もunstableな改造はテストIDで試してから本IDに投入、の予定。
« Die Unendliche Geschichte | トップページ | 業務連絡 »
「将棋プロセサ」カテゴリの記事
- ボンクラーズの開発過程について書いた記事が掲載されました(2019.03.07)
- 「浅い評価値を深い評価値に近づける学習法」誕生の背景(2016.10.06)
- 塚田九段の対ボンクラーズ練習棋譜を公開します(2013.09.07)
- Puella α ソース公開(2013.08.28)
- クラスタ並列の解説記事を公開します(2013.08.22)
コメント