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新潮記事の背景

裁判の全体像を書こうとすると、いろいろあってどこからどういう順番で書いていけばうまく伝わるのか私にもよくわからない部分があります。なので、とりあえず時系列で、起こった順に書いていこうと思います。そうすると裁判につながる最初の出来事は、週刊新潮に記事が載った時になるでしょう。まずはその時の話から。

4/13の対局のすぐ後、4/16に、週刊新潮の記者のK安と名乗る人物から会社に電話がありました。聞いたことのない名前でしたが、私の勤務先は世間にばれていましたし、この頃は時々マスコミから取材目的で会社にコンタクトしてくる例もけっこうありました。会社の方でも、取材と聞くと割とあっさり私のところに転送していました。私が出ると、そのK安氏は「局後に『つまらない将棋』と語った真意を聞かせてほしい」とのことでした。

後で某氏から聞いた話によると、週刊新潮は自社の記者でなくフリーランスに記事を書かせるのが基本、とのことでした。これ、ちょっと真偽はわかりません。K安氏のメアドは一応 shinchosha.co.jp ドメインでした。ただ、だから正社員、とも断定できないでしょうね。なんで「記者でなくフリーランス」なんだろう?人件費の問題?何か問題があったときに「うちの記者じゃないから」と責任を逃れるため?

さて、この取材依頼を聞いてまず私が思ったのは、「うかつにしゃべるとまずそうだな」、でした。私は11年末の(第1回)電王戦の発表以来、けっこういろいろマスコミから取材を受けまして、マスコミの実態をかなり把握していました。こちらがしゃべったことが、真意から離れて、マスコミ側の意図を補強する目的のために歪んだ形で引用されることがしばしばありました。いやもちろん、まともな取材・報道もあるのですが、残念ながらそういった歪んだ報道も少なからずある、ということは身を以て知っていました。

週刊新潮という媒体は、以前から将棋連盟を批判する記事をよく書いていました。たしか12年頃は、米長前会長が連盟内の女性職員にセクハラをした、そのことを批判した中川理事を解任した、それで総会が紛糾した、のような記事をよく載せていたと記憶しています。

それを知っていたので、今回の取材でも、私の発言を都合よく切り取られて、たとえば「塚田九段が卑怯な作戦を使って無理やり引き分けにした」のような文脈で、私も塚田さんを批難しているかのように書かれるかもしれない、と考えました。もちろん私自身は塚田さんの作戦を批難は全くしていません。前にもこのブログで書きましたが、入玉狙いは正当な作戦です。ただ、マスコミの恐いところは、こちらがしゃべったことをうまくつなぎ合わせることで、「確かに事実としてしゃべったことなんだけど、話者の意図とまったく違う主張に結びつける」ことができてしまうのです。実際私もこういう目にあったことが複数回あるわけです。

私はこの時点では、連盟のことはそれほど嫌ってはいませんでした。電力制限、ボンクラーズ排除の件で衝突はしましたが、いずれも抗議の結果こちらの要求が通ってますので、根に持つほどではありません。「へたに関わるとめんどくさい連中」くらいは正直思ってましたがw 嫌いとまでは思ってませんでした。私が本格的に連盟を嫌うようになるのは、裁判関連のやりとりを経た後のことです。このときの考えとしては、「私の発言が塚田さんや連盟の批判に結びつけられては困る」だったので、取材はなんとか理由をつけて断ろう、と思いました。

それで、まず電話では、「今は勤務時間で話ができないので、メールで質問内容をまとめて送ってもらえますか。後からメールで回答します」と答えました。しばらくしてメールが来ましたが、そこでは「締め切りの関係で、今日の5時までに回答ください」とあったので、これ幸いと「5時はまだ勤務中なので、回答できません。今回はあしからず」という感じで答えました。すると「6時半くらいまでならなんとかなりますので、ぜひ」と来たのですが、「いや、答えるのにもやはりある程度時間かけて考えたいので、今日中と言われても困ります」とあくまで拒否。それでK安氏は引き下がったのですが、その結果ああいう記事が書かれた、という次第です。

しかし、週刊新潮は、あの記事で何をしたかったんでしょうね?私のような無名の人間を叩いても読者をひきつけられないと思うのですが。K安氏が、取材拒否されたことに腹を立てて、単なる私怨で書いたのかな?でもそんな理由で記事書いても、編集長に却下されるような気がしますが。それとも、連盟におもねって最初から私を批判するつもりでいた?連盟がこの時点で私に対して相当恨みを持っていたという話は、実は後でいろいろと耳にしています。ただ、新潮が連盟におもねるかなぁ?週刊新潮は、前記の通り連盟批判の記事を書く一方、今は渡辺元竜王の連載も持ってるみたいですね。新潮と連盟の関係がどうなっているのか、私にはよくわかりません。ただ、批判記事も書くけど、ある程度の付き合いは維持したいので、時には連盟の喜びそうなことも書く、という目的だったというのもありえなくはありません。まあいずれにせよ、推測の域は出ませんが。あと、私がもし答えてたら、どんな記事になってたのかな?

私の方はというと、新潮記事はほとんどこたえませんでした。週刊新潮というのはしょせん「ゴシップ週刊誌」というのが私の認識ですし、まわりの人に聞いても大体そのようです。私は2chその他で好き放題書かれていますがw ああいう批判をいちいち気にしてるわけにもいかないので、全く無視する術を身につけています。週刊新潮も、2chで延々と他人の悪口を書きつらねている人達と同レベル、と思っているので気になりませんでした。ある知人は新潮を見て、わざわざ私に電話をかけてきまして「新潮なんて嘘ばっかりだから気にする必要ないよ」と励ましてくださいました。

まあそういうわけで、取材を断ったのは、塚田さんなり連盟なりに迷惑がかかっては困るな、と思ったからだったのですが、その結果あの新潮記事を書かれる。でそれを見て内館が中傷記事を書く。恩を仇で…とまではいかないですが、なんだかなぁ、という思いは若干持っています。

私は読書はかなり好きな方ですが、この件以来、新潮社の本は買わないようにしています。皆さんも、よろしかったらぜひ新潮社出版物不買運動にご協力ください。

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コメント

週刊新潮のようなゴシップ週刊誌(に依頼を受けた記者)は毎週ネタ探しに困ってますから。
たまたま話題になってた電王戦の塚田戦を面白おかしく書いただけでしょうね~

長年見てますが将棋世界では人格批判は見ないですからね。しかも棋界に疎い内館がよく知りもしない伊藤さんを批判することは動機の面から見ても弱い、そして過激記事なのに編集もされなった、なぜだろうと思いました。ただ、クレームへの対応を断った辺りでは、わかりやすかった。これは不満を爆発させた誰かが内舘に頼み込んで書かせたなという線で繋がりました。従来では無かったこのような判断をする人物はあの人かその取り巻きくらいでしょう。

>「確かに事実としてしゃべったことなんだけど、話者の意図とまったく違う主張に結びつける」ことができてしまうのです。実際私もこういう目にあったことが複数回あるわけです。

複数回どんなことがあったのか具体的に知りたいです!

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