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よろしい、ならば裁判だ!

2月3日の将棋世界発売日がもうすぐです。果たして本当に謝罪載るんでしょうかね。たぶん載ると思うのですが、一抹の疑念を持っています。

和解では賠償金支払いと謝罪記事掲載が義務づけられているわけですが、これもしやらなかったらどうなるか?まず賠償金の方は、支払いがなかった場合、私の方から裁判所に申し立てをすると、裁判所が差し押さえをやってくれます。連盟のビルに行き、金に換えれそうなものを持って帰って換金して私に支払う。ですので支払わないという選択肢は被告にはまずないでしょう。実際ちゃんと支払われたわけですが。

ググると、「裁判で勝って賠償命令をかちとったが、それでも相手が払わない」みたいな事例を実はけっこう見かけます。それで最初心配していたのですが、どうやらこれは相手が財産のない個人の場合のようです。個人の場合、差し押さえといっても金になりそうでめぼしいものはせいぜい家か車くらいでしょうから、それらを持たない被告が開き直ると取り立て難航が予想されます。銀行の口座は、たとえ裁判所の判決を見せても、銀行は口座の情報を開示しないそうです。ただこの点はつい最近改善の兆候があって、判決があれば開示する方向になるかも、という新聞記事を見かけはしましたが。

まあそういう問題はあったのですが、相手が法人で自社ビルを持ってたりすると、不動産は必ず登記がありますし、べらぼうな額でないかぎりまず取り立てには困らないようです。この面でも私は楽で、ラッキーでした。

記事掲載の方は、掲載自体を強制する手段は裁判所にもないのですが、間接強制というのがあって、義務を履行しない間、金を徴収します。金なら上記の手段で差し押さえなりして取れるわけです。まあいろんな意味で、「金で解決」というのはいちばん現実的なんですよね。執行しやすい、という意味で。この金額がどのくらいになるのかわかりませんが、まあそこそこの金額にはなると思います。で、これが記事掲載するまで続くので、これもやはり不履行は被告にとって相当のデメリットになります。

以上から考えて、たぶん掲載するだろう、とは思うのですが… なにしろ常識の通用しない団体なのでw デメリットがあるとわかっていても意地だけでやりかねない、というところがあるので、ちょっと注目していたりします。

私は和解の添付資料として将棋世界に載るはずの謝罪文のゲラを持っていますので、2/3にはそれをこのブログに掲載しますのでお楽しみに。ですので謝罪文を見るために将棋世界買う必要はありません、念のため。

さて本題ですが、弁護士さんに、話し合い申し入れ&掲載経緯の確認を依頼し、先方と電話でやりとりしてもらいました。

「当事者が直接話し合えないか」については、当初は先方の弁護士から「誰と話したいのか希望はあるか、あるなら伝える」などと聞いてきまして、これはスムーズに進むのかな、と一時は思いました。が、7/24に来た回答は次のようなものでした。

Kaitoujul24


強硬姿勢で来ました。これは正直、こちらとしては予想外でした。裁判になったらこちらの勝ちは見えているので、むこうとしては、途中はなんだかんだゴネるかもしれないが、結局は示談にするしかないだろう、と思っていたからです。

今思えば、このときは我々は連盟がどういう組織なのかを本当にはわかっていませんでした。よく国際政治の話などで、「交渉で、相手が合理的判断をすると決めつけていると痛い目に合う」と言われます。東アジアの某国に関してよく聞きますね。このときの私も、「連盟は、裁判になって負けたりしたら風評上大損するはず。だから絶対示談に応じるだろう」と考えていたのでした。残念ながら、合理的判断を期待できる相手ではありませんでした。

ちなみにこの回答、FAXで来ています。この後裁判所とのやりとりもFAXでやることになります。今時FAX?なんでメールじゃないんでしょうかね。後でマイナビから謝罪広告のゲラをもらったとき、FAXだと分解能が粗くて細かい所が読めずに苦労したのですが。この辺も法曹界の謎のひとつです。

ところでこのFAXで明らかに妙なのは、「連盟が……内舘氏に今回の記事を書いてもらったという事実はないのか」について……確認されたい旨の~、というくだりです。え?え?そんなこと聞いたつもりはないんだけど?もしかしてこちらの弁護士さんにうまく伝わってなかったかと思い彼に確認したのですが、「いやそんなこと聞いてはいないです。私もこの返答見て驚いています」とのこと。

これでいよいよ、「やっぱりむこうの弁護士、なんか変だろ」と思いはじめました。質問をゆがめたのが意図的かまでは断定できないものの、意図的ならばもう論外ですし、意図的でなく本当に質問の内容を勘違いした、しかもそれを確認もせずにピント外れの質問を連盟にしてその答えをそのまま返した、というならばそれはそれで無能の証拠です。

で、試しにA弁護士(むこうの主担当)の名でググってみました。すると、弁護士のランキングのサイトみたいなのがヒットしました。そのサイトにはベスト何人かとワースト何人かの弁護士がリストされており、A弁護士はしっかりワースト側のリストに入っていました。弁護士というのは2万人以上いるようで、その中で高々Webページ1ページに入るリストの中です。

このランキングのサイトの評価の正確さは私にはわかりません。ただ事実として、この時点で私はこれを見て完全にむこうの弁護士への信頼をなくしました。この弁護士経由で話をするのは時間のムダだな、と。

そこで、また弁護士さんと話し合い、前回の通知書の内容と合わせて、以下の方針としました:
 ・示談にするなら、こちらに一切非礼がなかったことを認めることが必須条件
 ・更に、賠償金を支払うことも示談の必須条件(金額は応相談だが、ゼロはNG)
 ・示談の相談をするなら、まず連盟の会長か理事が直接話し合いに出てくること。
  その中でまず私に謝罪すること。

この3点の全てを満たせないなら訴訟、ということにしました。送った文は以下です。7/30に送りました。

Renrakujul30a


Renrakujul30b



ちなみにこの文面ですが、「強要ととられないように」と弁護士さんは表現に注意していました。それで、「あんたらに選択肢があるよ、どっちにする?」と聞く形になっています。実際、後の裁判でも、被告から「面談を強要された」のようなことを言われ、それに対してこの時の文面を証拠に「強要ではなかった」とこちらが主張する、という一幕がありました。この辺も、うちの弁護士さん、切れ者だな、と思ったところです。

さて、このときもまだ、こちらの読みとしては、むこうも訴訟になったら負けるしかない、恥をさらすのは嫌なはずだろう、だから今まではなんやかんやごねてるけど、こちらにこう言われたら絶対従わざるをえないんじゃないか、と考えていました。でも一方、今までの回答の流れを見ると妥協はしなさそうな姿勢に思えます。一体こいつらは何を考えてるのか?絶対負ける訴訟に突っ込んでいくつもりなのか?いやいくらなんでもそこまでバカではないだろう…などといろいろ考えていました。8/8、次の回答が届きました。

Mendanaug08


妥協せず、訴訟辞さず、でした。これで裁判確定です。

ところで話は戻りますが、「連盟が、内舘氏に今回の記事を書いてもらったのではないのか」の件です。こちらは「記事のチェックはしなかったのか」と聞いただけのつもりなのに、なぜこんなとんちんかんな回答が返ってきたのか?ぱっと思いつくのは、「実際に連盟から頼んで書いてもらっていたので、それが裁判でバレてはまずいと思い、必死に否定した」です。こちらの聞き方は、聞いたのは弁護士さんなので具体的な言い回しは私は直接はわかりませんが、事前の打合せの話からしてたぶん「事前に記事の内容を知っていたのか」という感じだったと思います。こちらの意図としては、「内舘氏が書いてきたものを、掲載前にチェックするのが編集の責任ではないのか」という意味だったのですが、それを連盟側は「連盟から頼んだのだから、書く前から内容はわかっていたのだろう」という意味にとらえたのでは、ということです。普通はそう解釈はしないだろうと思うのですが、頼んで書いてもらったというやましい面があれば、こちらの質問を「見抜かれてるのか!?」と誤解してうろたえてしまった、というのは可能性としては十分考えられます。

まあ実際のところ、連盟/マイナビ/内舘氏の間でどういうプロセスがあってあの記事が書かれたのかは、こちらにはわかりません。上記のFAXではむこうは否定していますが、ここは三者で口裏を合わせることは可能なので、信用はできません。別件ですが、後で裁判中に、被告の言っていたことが明らかに嘘と判明してこちらがそれを指摘する、という場面がありました。連盟は裁判という場でも平気で嘘をつくので、むこうの言い分は全て疑ってかかる必要があります。

かといって「頼んで書かせた」と断定する証拠もありません。ただ、ひとつはっきり言えることは、内舘氏は将棋はほとんど知らないということです。この時点では私は、内舘氏はどういう人物かほとんど知らなかったのですが、「月夜の駒音」は何号ぶんか見てみました。棋士の態度が立派だとかそういう話はあっても、「この▲5六銀にしびれた」とかそういう将棋の内容の話は見たことがありません。裁判の中でも、「内舘氏は電王戦の感想戦はニコ生で見たうえで記事を書いてるのか」と聞いたところ、見ていないとの回答でした。また「つまらない将棋」が棋士が当たり前に言うことであることも知らなかったからこそ、「棋士はつまらない将棋とは絶対言わない」という週刊新潮の嘘にやすやすと騙されてしまったわけです。

将棋知らない、将棋番組(感想戦)も見ていないという状況で、一体どうやって将棋雑誌に連載記事を書いているのでしょう?どうやって毎回ネタを集めているのでしょう?そう考えると、編集部から「今月はこれこれの件で書いてはどうですか」とネタをもらって、それを元に書いている、というのは大いにありえる話と思えます。もちろんこれは推測にすぎません。が、かといって他に、将棋を知らない人間が将棋誌の連載を続けられる理由も私には思いつきません。(というかそれ以前に、なぜそんな人間が将棋誌に連載を持ってるのか?からしてわからないのですが。)

そもそも、まがりなりにも作家の立場にある人間が自分の頭で考えるならば、ゴシップ週刊誌の真偽もわからない記事だけをソースに、裁判沙汰になるような他人批判の記事を書くでしょうか?そう考えると、内舘氏は受動的に与えられたネタに沿って書いただけ、他のことを書こうにも自分ではネタを探すだけの知識がないのでやむなく勧められたとおり書いた、というのは大いにありえると思えますし、その可能性を否定する材料は私は持ち合わせていません。ちなみに、上記FAXでも裁判でも、被告側は「連盟から内舘氏に頼んで書かせた事実はない」とは主張していますが、(マイナビの)編集からネタをもらったかについては、(そもそも話題に上っていないため)否定していません。

今思い返せば「マイナビ編集からネタをもらったか」も聞いておけばよかったと思うのですが、この時は他にいろいろ考えるべきことがあったのと、そもそも内舘氏が自主的に書いたか頼まれて書いたかは訴訟上あまり重要でないと思っていてその点をあまり深く考えていなかったため、聞きそびれてしまいました。

私は将棋の「精神文化」とやらを熟知していると主張するつもりは毛頭ありませんが、子供の頃から将棋に親しんでおり、将棋というゲーム全般に関しては内舘氏よりははるかによく知っているはずです。私が内舘氏の立場なら、自分がろくに知らないジャンルに関して、自分よりよく知っている人をつかまえて「あいつはXXXを知らない」などと書くのは、恥ずかしくてとてもできないのですが。そういう事を堂々と、しかも活字媒体で発表できるという神経は、ちょっと私の理解を越えています。

ちなみに内舘氏、以前にも他人を批判した「前科」がありました。朝青龍の件は有名ですが(知らない人はウィキペディア参照)、将棋でも以前の将棋世界の連載で、プロ対アマのイベントに出てきたアマの服装がなっとらん、と批判したそうです。(この辺を参考)

でもこれしかし、このイベントって、たぶんプロは出演料もらって、アマはボランティアで協力してるんじゃないかなぁ?その協力者に対して「プロの方が出向いて下さっているのに」ってどういうことよ?これもまた理解に苦しみます。実は私は、この話は某大学の将棋部OB(複数)から聞いていました。「いや~実はうちらも内舘氏にボロカス言われたことあるんですよね」と。ご愁傷様です。まあ今回の裁判に懲りて、さすがに今後はこんな批判はしなくなるんじゃないかと思うんですが。更なる被害者の発生を防げたという意味で、今回の勝利は本当に良かったと思います。

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コメント

氏が連載を持っているのは、、氏に合法的に執筆料という名目で、お金を渡したい人がおり、その人は、将棋連盟に対して影響力を持っている、たとえば、”公益”社団法人になる時に後押しをしてくれたとか、紫綬褒章に推薦してくれるとか、その類と推測しています。

マイナビの「将棋世界3月号」の予告欄には「お詫びと記事撤回のお知らせ」との記事があることが記載されています。

どういう文章なのかは分かりませんが、記事の掲載は間違いなさそうです。

内舘さん将棋知らないって・・・さらっと書いてるけど衝撃的
ニコ生見てないとか、色々設定がおかしすぎる

内舘の芸風って明快ですよね。作家という一見独立の立場から(ここ重要)将棋連盟や相撲協会を援護射撃して彼らのパトロン(カネを出してる面々)や一般のファンを満足させるとともに、彼ら(ぶっちゃければただの芸能民)の権威を押し上げる太鼓持ちですよ。

だから内舘もあんな失笑ものの駄文を自分名で発表できるし、連盟や協会も安心して使うわけです。任命直後に「八百長のウワサがあるが調査したのか?」というような空気読まない人だと困るでしょ。

伊藤さんの推察が当たってると思いますね。そもそも将棋世界に原稿書いても金になりませんから、内館が意欲的にあれこれ見て回るというのは想像出来ないことでした。家畜が餌を貰うように、編集部から記事の材料を提供されていたと考えるほうが合理的ですね。

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