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ルビコンを渡る

訴状と証拠を揃えて、いよいよ提訴です。私も裁判を実際に経験するのは初めてです。もちろん13年6月から裁判に向けて 着々と準備を進めてきたわけですが、11月まではまだ示談交渉だけで実際に裁判所とやりとりしたわけではありません。提訴はやはり相当「重い」イベントで すので、精神的に相当重圧がありました。いや別に特に何が心配というわけでもないのですが、自分が裁判を起すというそのこと自体が、なんかとんでもない無 茶なことをやってるのでは?という全く根拠のない不安に襲われるわけです。ですが「いや、自分は正しいことをやっている」と言い聞かせ、不安を振り払いな がら作業を進めていきます。

証拠を揃えるのは、材料だけはこちらが「これこれこんなものがあります」と弁護士さんに情報を渡し、それを裁判所への提出用に整えるのは弁護士さんがやってくれました。提訴の時点で証拠として用意したのは

・内館記事のコピー
・週刊新潮記事のコピー
・電王戦第4局に関するウェブ記事 - 裁判官への背景説明として。この記事です
・第4局感想戦の書き起し
・このブログの第4局後の記事(これこれ)のコピー

です。証拠は紙で渡すのが基本だそうで、感想戦はニコ生の番組のしゃべった内容を業者に書き起してもらって(そういう業者がいるそうで、弁護士さんが知ってる業者に頼んでくれた)紙で提出します。

訴状もほとんど弁護士さんが作成してくれました。もちろん、事実関係としてこんなことやあんなことがあった、というのはこちらから情報提供しますが、まとめて文章にするのは弁護士さんです。訴状の本文を以下に載せます。本文以外もいろいろあるのですが、表紙には弁護士さんの名前とかあって出せないのと、あと証拠等全部載せるとファイルサイズが大きくなりそう(このブログ、アップできるファイルの総量に制限があるのです)なので、本文だけ載せます。金額等を消すため、一部png、一部pdfになって切れ切れで読みにくい面もあって申し訳ありませんがご了承ください。ページ番号の順に2,3_4,5,6,7_9,10,11,12となっています。

2ページめ:

Sojo2b

3-4ページめ

5ページめ:

Sojo5b

6ページめ:

Sojo6b

7-9ページめ

10ページめ:

Sojo10b

11ページめ:

Sojo11

12ページめ

11ページに付属書類の一覧があります。甲号証は証拠のこと。甲1とか甲2とか番号が振ってあります。証拠説明書というのにこの番号の対応が書いてあります。訴訟委任状は、私が弁護士さんに委任しています、とハンコを押したもの。資格証明書は、これも名前が一般人には奇異に感じられますが、マイナビと将棋連盟の登記簿みたいなもので、どういう会社/法人かというのを記したものです。

訴状の要求内容を見ればわかりますが、和解条項はほぼ元の訴状の通りになっています。「完全勝利」たるゆえんです。唯一なくなってるのは「連載中止」の件。これは元々、裁判では判例がないので、判決や裁判上の和解になったら実現しないだろうとはこちらも予想していました。ただ今回の場合、判決ならばおそらくこちらの一方的勝利になるため、むこうが途中で訴外和解を提案してくる可能性が高いと予想していまして、そうなったら要求するつもりでした。結局被告が意地を張り通したため、そうはなりませんでしたが。もちろん、根拠なく要求するのはさすがにまずいですが、民法723条に「名誉を回復するに適切な処分を命ずることができる」とあるので、これを根拠としています。実際マイナビが裁判中に「連載中止は法的根拠がない」と指摘してきたのですが、これには「723条の『適切な処分』にあたる」と反論していました。まあこちらも法廷ではこの点を強く主張するつもりはなかったのですが、かといって非を指摘されてやりこめられるようでは心証上まずいので、そこはしっかり対策していました。

11/18にマイナビと決裂してから作業をはじめ、訴状と証拠を揃えるのに3週間くらいかかったでしょうか。弁護士さんが原案を作り、事実の細部を私がチェックして、という感じで、何度かメールでやりとりしながら細部を詰めます。これでよし、となったところで、13年12月19日、弁護士さんが東京地方裁判所に提訴してきました。提訴した時のことはこちらの記事にも書いていますので参照ください。

訴状と証拠が完成して、弁護士さんに「これで提訴してよろしいですね?」と確認されたときはちょっと迷いました。一体俺は何をやっているのか?とんでもないことに首を突っ込んでいくのではないか?逆に脅迫されたりしないのか?等々。なにしろこちらは名も無い一個人。一方、敵に回すのは、片や売上高300億の大企業、片や公益法人です。常識的に考えるならば「やめといた方がいいんじゃないの」と思う人が多いでしょう。実際、「あんなの相手にしない方がいいよ」という助言もけっこういただきました。

とはいっても、迷ったのはほんの少しだけ。ここまで来て行かないわけには行きません。もう歩を四つくらい突き捨てたような状態ですから。まあ結果的に完勝で、この時の不安は一時の気の迷いにすぎなかったのですが、当時は本当にけっこうあれこれ考えていました。

このブログの読者の方の中には、私と同じように名誉を毀損されて、あるいは他の何らかの理由で、裁判を考えている人もいるかと思います。実際に提訴しようとなったとき、私のように「こんなことしていいんだろうか、まずいんじゃないか」と怖じ気づく人もいるかもしれません。そんな方々に私が言いたいのは、「不必要に恐れることなく、自分が正しいと思うことを胸を張って行ってください」ということです。自分で言うのもなんですが、私はかなり神経が太い方だと思います。そんな私ですら、いざ提訴となったときは不安になる。ましてもっと気弱な方ならば、それは物凄いプレッシャーでしょう。ですが、そんな時は思い出してください:

正義は、勝ちまぁす!

経験者として、これは声を大にして言いたい。あなたが怖じ気づいて提訴を諦めたら、相手がつけ上がるだけです。被害を受けたあなただけが、相手を訴えて負かすことができるのです。あなたに道理があるならば、それはきっと裁判官に伝わります。ですから、恐れず、戦いましょう。このブログが、裁判を考えている方々にとって多少でも参考になれば、また、迷いを振り切って戦いへの一歩を踏み出すための助けとなれれば幸いです。

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裁判記録」カテゴリの記事

コメント

STAP細胞のパロディであるなら、正義は勝たないことになるとおもうんですが・・・

いずれにせよ、谷川会長も躊躇せずゴキブリと中傷されたことについて提訴、告訴すべきですね^^

つい最近、池田信夫-上杉隆の名誉毀損裁判があって、その時の慰謝料は50万円でした。結局は(現時点では公開できない)額の問題なんです。仮に50万円だとして、50万マイナス諸費用万円が大騒ぎするほど巨額と感じるかどうかは、人それぞれ/その人の自由です。塚田九段がルール上OKな戦法は何やっても自由なのと同じで。

伊藤さんは神経も太いし、ちゃんとした企業に勤めておられたからセーフティネット的な意味でも良かったけども、
そうでない人は泣き寝入りしてもおかしくないですからねえ。
本体より何より信者が怖いしw

正義は、勝ちまぁす!
のすぐ下に
« 警察と戦う(そして負ける)
があってなんか笑えた

裁判は裁判でいいんですけど、伊藤さんは一時は将棋ソフト開発者トップであられた方ですし、第4回電王戦が終わったあとくらいに「コンピュータ将棋の技術の到達度」について見解して欲しいな。

正義は、勝ちまぁす!っておいwwww
ええ話や・・・って思ってたところにオチとか
てか、前回警察には負けてませんでしたっけwww

第46期新人王戦にて、渡部愛女流初段が三枚堂達也四段に勝ちました。今号でロクに取り上げられていないのがとても残念だった。甲斐さんが深浦さんに勝ったとき、石橋幸緒LPSA代表理事は「おめでとう」とコメントしていたのを覚えている。石橋さんは、女流棋界全体の発展を第一義に考える器量の大きい人物だ。今回の渡部愛さんの勝利についても、石橋さんのコメントが欲しかった。

一成さんとの対談記事にて、電王戦タッグマッチに出場した西尾さんに「自分で考える。」と言われても説得力を感じなかった。

「ソフト指しに負けて恥をかくのがイヤだからサイバースペース上で覆面対局はしない。でも、高額の対局料がもらえる電王戦タッグマッチには出場したい。」という考え方は、プロ棋士資格が利権であるというのを認めたことになると思う。

さて、前号・今号の青野照市九段の「私はこうして強くなった」を読んだ。歴代の日本将棋連盟会長に対する見方は鋭いと思った。晩年はイエスマンを侍らせるというのは、民間企業にもよくある話だ。

ただし、日本将棋連盟が将棋に関するビジネスを独占するという大前提については、歴代の会長と青野専務理事は同じ意見だ。

将棋の修業のために郷里を出て、徒手空拳でプロ棋士を目指した。プロ棋士・連盟職員のパシリをしながら将棋の修業に打ち込み、二十歳前後でプロ棋士に昇段した。日本将棋連盟が将棋界の全てだという考え方が自然に身に付くバックグラウンドだ。堂々と受けて立つ渡辺明のようにスケールのでかい考え方ができる大物は、プロ棋士の中ではごく少数だ。

ところが、日本将棋連盟理事である青野照市と島朗もサバンナのライオンであることが判明した。

Googleで

「対日本将棋連盟等との事実関係について」

で検索すればトップに表示される(LPSA代表理事を退任直前の)石橋幸緒氏の文責による記事(例の魚拓)の中で、

平成25年8月7日付の

公益社団法人 日本将棋連盟
青野照市 専務理事
島朗 常務理事

より

公益社団法人 日本女子プロ将棋協会
石橋幸緒 代表理事

あての文書があった。この文書の中で、

「また大事な点を忘れては困りますが、問題の根幹で重大な部分である対局放棄再発防止策につきましても、なんら触れていないことも理解出来かねます。責任はもう果たしたと思われるならば、反省はないものと判断せざるを得ません。

また、貴団体ホームページにマイナビ様への謝罪文が時を経て発表されたにもかかわらず、長くも無い期間でそれが取り下げられておりますが、誠意と真意を正直測りかねます。第7期の継続を決断していただけましたマイナビ様をはじめ、関係各位にあまりに失礼な行為ではないかと疑義を感じざるを得ません。」

とのことだ。この青野照市・島朗による考え方を、伊藤英紀氏への「お詫びと記事撤回のお知らせ」に適用してみる。

「また大事な点を忘れては困りますが、問題の根幹で重大な部分である伊藤英紀氏への中傷記事掲載再発防止策につきましても、なんら触れていないことも理解出来かねます。責任はもう果たしたと思われるならば、反省はないものと判断せざるを得ません。

また、将棋世界誌上に伊藤英紀氏への謝罪文が時を経て発表されたにもかかわらず、日本将棋連盟サイトでロクに取り上げられていませんが、誠意と真意を正直測りかねます。第3回以降の電王戦の継続を決断していただけましたドワンゴ様をはじめ、関係各位にあまりに失礼な行為ではないかと疑義を感じざるを得ません。」

当方、このような考え方に諸手を上げて大賛成だ(異議なし!異議なし!異議なし!)。賛成ではあるが、厳しすぎると思う。当方、本人に対して一言謝ればそれで終わりにしてOKだと思う(渡辺明二冠、申し訳ございませんでした)。(法廷闘争惨敗の原因究明のための)感想戦座談会の開催を希望するけれど、任意でOKだ(強制だと自由に発言しにくくなるから)。

青野照市・島朗にとっては、「謝罪と再発防止策がワンセットでなければ、反省したと看做さない」のだそうだ。「ホームページで謝罪文を長く掲載しなければ、関係各位に失礼」なのだそうだ。青野照市と島朗は、サバンナのライオンそのものだ。

ところが、前号と今号の将棋世界のどこを見ても、青野照市・島朗による中傷記事掲載再発防止策は掲載されていない。青野照市には誌面で取り上げるチャンスがあったにもかかわらずだ。日本将棋連盟サイトに謝罪文も掲載されていない。ど・う・なっ・て・い・る・ん・だ・よ?

そーか!わかった!グレードの高い謝罪を準備中なんだ!どんな謝罪が考えられるだろう?千駄ヶ谷の駅前で、青野照市・島朗が謝罪文・再発防止策が掲載されたビラを配布する。いや、名人戦の大盤解説会場の玄関口でのほうが効果的かもしれない。新聞への謝罪広告の掲載もあるかもしれないぞ。どれだけグレードの高い謝罪なのだろう?当方、ドキドキが止まらない。(田中寅彦の三段リーグ降格入替戦だけでなく)青野照市・島朗が日本将棋連盟理事としてのケジメを履行するまで言及し続けたい。

三浦弘行と渡辺明はサバンナのライオンだ。なんと、青野照市と島朗もサバンナのライオンだった。大変うれしい発見ではある。

>「コンピュータ将棋の技術の到達度」について見解

人間対コンピュータという意味では、もはや圧倒的にコンピュータの方が強く、決着はついていますよね。今の電王戦は、人間側にたくさんハンディを与えて、どこまでハンディをあげれば人間も戦えるか?という話になってしまっているので。今となってはもう羽生さんでもまず(今の電王戦みたいのでなく、対等のルールでは)勝てないでしょう。「人間対コンピュータ」という図式はもうはっきりオワコンと言えます。

じゃあその先のコンピュータ将棋の進化は、というと、もういくら強くなっても、人間には何がすごいのかすらわからない、というレベルに入りつつあります。もうコンピュータ将棋の強さは、コンピュータどうしの対局での勝率でしか測れない。そうすると当然、「それやる意味あるのか?」という話になってきます。実際それが、私がコンピュータ将棋を辞めた理由の主な部分でもあります。まあコンピュータどうしの対局での勝率を上げるというのもそれなりに技術的には面白い面はあるので一概に否定はしませんが、やはりやる価値が落ちていることは否めないでしょう。

1997年にチェスでコンピュータが世界チャンピオンに勝ってから17年後の2014年、コンピュータチェスの大会は参加者が少なすぎるという理由でなくなりました。将棋では2012年に名人を越えていますので、類推すると、2029年にはコンピュータ将棋の大会もなくなるかもしれないですね。まあ実際どうなるかはわかりませんが。

・相手が話に乗ってくるためには、当たり前ですが"win-win"でなくてはいけない。相手側のwinとは何か、どうすればそれが得られるか と考えるマーケティング経験のあるエンジニアさん(と称する方)に、「オワコン」と言われても関係者はため息しか出ないでしょうね。それは、オワコンなのか(ガッカリ)というため息ではなくて、(本当にオワコンかどうかはともかく)聞くだけムダな話だった/期待して損した(ガッカリ)というため息。

四の五を言わず「うちがカネ出して棋戦やりますよ」と言ってくれる人の方がとりあえず仲良くしようと思いますね、それは棋士でも電王トーナメントに参加するプログラマでもおんなじ。

なんでこの人、「目標物を最も効率のいい方法で作れるエンジニア」以上の修辞を上に被せるんだろ。充分立派で氏を形容するのに必要十分な表現なのに。

ところで囲碁プログラムの開発は辞めたんですか?
まさかボナンザをいじっただけで満足とか時間がないとかやめてくださいよ
伊藤さんには是非囲碁プログラマの世界で大きなブレイクスルーを期待したいです!!!
囲碁は相手がワールドクラスですから

第二回までは「プロ棋士と最強コンピュータの対局」というテーマでとても魅力的だったのですが、
第三回以降は「将棋連盟のプライドをどうしたら守れるのか?」という全く意味のない茶番になってしまいましたね…。
とても残念です。

【事前貸し出し】
慣れは重要なので、棋譜提供や練習対局くらいは問題ないと思いますが、
本番環境と全く同じものを事前提供となれば、これは八百長と言われても仕方ないでしょう。
将棋所の性質上、任意の局面における読み筋をすべて公開することになるのですから。
極端な話、序盤で僅かに有利な局面が作成できたら、後はコンピュータの読み筋通りに指せば
勝てる、ということになってしまいます。
もちろん(棋力向上には全く役に立たない)嵌め手やバグも探し放題です。
貸し出しされた以上、棋士さんは練習・調査をしない訳にもいかないので、
こんなルールはお互いに不毛なだけでしょう。

【クラスタ禁止】
コンピュータ同士の対局であればそういうテーマも一興だと思いますが、
それをそのまま人間対コンピュータに当てはめようとするのはまた別の話でしょう。
(川上会長が第三回のルール発表会見でそのような詭弁を述べられていたのですが、呆れてしまいました)
クラスタでコンピュータを複数台繋げば何の苦労もなく強くなると勘違いしている人もいるようですが、
例えば伊藤さんが公開されている「クラスタ並列解説記事」だけでも読めば
そんな単純な話ではない(下手な人が組めばむしろ弱くなる可能性すらある)ことは
容易に想像出来るでしょうに…。
このような難解かつ重要な研究テーマをせっかくの大舞台において排除するのは
コンピュータ将棋および関連技術の進歩を阻害するだけでしょう。

このハンデ戦における、「勝った」「負けた」に一体どのような意味があるのか?
(何故かドワンゴや将棋連盟はあたかも真剣勝負であるかのように演出したがっているようですが…)
伊藤さんの仰る通り、完全に「オワコン」ですね。

伊藤さんの記事を見てて思うのは、なんで二元論でしか物事を考えないのだろうということです
もちろん対極に位置し自分に害をなす存在が居ないとは言いませんが、多くの人間はどちらかに分類することは困難でしょう
記事を読んでいると「自分に積極的に協力しない人間は皆悪である」のように感じてしまいます
この件に関しては間違いなく伊藤さんが被害者であり、連盟・マイナビ側の罪は否定できないとは思いますが、その過程で関わった連盟・マイナビ側の人間の全てが悪であるというような論調はいささか浅慮と言わざるを得ません・・・

>「自分に積極的に協力しない人間は皆悪である」

>連盟・マイナビ側の人間の全てが悪であるというような論調

こんなことはどこにも書いてないように思いますが、具体的にどこを指していますか?記事では連盟・マイナビ側が行なった事実を述べて、その行動を批判しているだけでしょう。きわめてまっとうな批判だと思いますが。

な、な、なんということだ!

Amazonの今号記事紹介と、マイナビのサイトに記載されている今号記事紹介に一箇所だけ違いがある。

マイナビのサイトに記載されている「お詫びと記事撤回のお知らせ」が、↑に記載されているAmazonの今号記事紹介には無い!!!

今号の購入を考えられている方、『お詫びと記事撤回のお知らせ』は今号にちゃーんと掲載されています。

何者かによって、Amazonの今号記事紹介が改ざんされてしまったのだろうか?

今号の内館さんの『月夜の駒音』、今泉さんのドキュメント『過去との訣別』はどちらも面白かった。今泉さんが順位の差に泣いた奨励会三段リーグは、大崎善生氏の『将棋の子』のプロローグでも取り上げられていたのに気付かされた。奨励会三段リーグは将棋ファンをひきつけてやまないと思った。

内館さんはNHK朝ドラ『ひらり』の脚本を手がけた方だ(当方、ドリカムが歌う主題歌が大好きだった)。相撲と将棋のプロ制度の違いにも踏み込んで欲しかった。

今泉さんの編入試験について耳にするのは、「プロがアマと対局するメリットが無い。」という意見だ。このような意見こそが、将棋を斜陽産業化させる最大最悪のデメリットだ。

相撲の世界で、十両末尾の力士が
「幕下の力士と対戦するメリットが僕にはありません。」
などという甘ったれを口にすることはありえない。特別待遇を維持したいなら、実力が拮抗している格下相手に勝つことによって勝ち取るしかないことを力士も親方も観客も認めている。内館さんも同じ意見だと思う。

日本将棋連盟のサイトで、田中寅彦と田丸昇の2013年から2015年の成績推移を検索してみた。

田中寅彦 2013年5勝18敗→2014年5勝17敗→2015年7勝14敗

田丸昇 2013年3勝10敗→2014年0勝10敗→2015年2勝8敗

田中寅彦と田丸昇に有無を言わせず都成竜馬と対局させ、負けたら千駄ヶ谷の将棋会館のペンペン草とネコジャラシの草むしりをさせる。これこそが、日本将棋連盟の将来にとって最大のメリットをもたらすケジメだ。

(高齢高段者だけではなく)若手有望棋士も現実から目をそむけている。高齢高段者の三段リーグ降格(大相撲でいう幕下陥落)を認めてしまえば、加齢により自身の棋力が衰えたときに引っ込みがつかなくなるからだ(五十代で無収入に転落するのは死ぬほどイヤだ!)。日本将棋連盟が暗いイジメ社会だから、今泉さんは辛酸を舐めさせられた。日本将棋連盟は、民間企業より遥かに暗いイジメ社会だと思った。

伊藤英紀氏への謝罪記事も注目記事だった。できれば、伊藤英紀氏との法廷闘争に惨敗した原因を究明する感想戦座談会を掲載して欲しかった。座談会参加メンバーは、谷川会長、宗像紀夫顧問弁護士、糸谷新竜王、今泉新四段、磯崎元洋氏の五名を強く要望する。このメンバーなら、今回の惨敗から日本将棋連盟が大いに飛躍するきっかけになる感想戦座談会になると思う。感想戦座談会の中で、

「(将来の電王戦だけでなく)法廷闘争においても、プロ棋士側にハンディキャップの設定が必要だ。今回の法廷闘争惨敗の結果を受けて、(日本将棋連盟が当事者である)訴訟の相手方は弁護士抜きの本人訴訟で互角だ。」

という意見が提起されることがありうると思う。将棋の「駒落ち」を裁判に適用するには無理があるので、当方は反対だ。

日本将棋連盟執行部の立場からあえて考えてみる。

一ヵ月半も謝罪記事への関心を引っ張る編集方針は下の下だと思う。さっさと日本将棋連盟とマイナビのサイトで公表してしまえば、今頃はみんな忘れている。

(執筆者である)内館牧子氏と、(本誌制作の元締である)日本将棋連盟執行部の意見が一致する必要は無い。日本将棋連盟執行部と違う意見を掲載することは、むしろ健全なことだ。ただし、論拠の裏づけがいい加減な記事の掲載にNGを出さなかった責任が日本将棋連盟執行部・将棋世界編集部にある。

分かりやすい例。電王戦タッグマッチには、プロ棋士・観戦記者の中にも反対意見がある。橋本崇載八段と小暮克洋記者だ(ツィッター上での発言より)。少数意見なのだろうが、じっくり意見を読んでみたい読者の方は多いと思う。「日本将棋連盟執行部と違う意見だから取り上げない」というのは、小学校の学級会以下のレベルだ。

なお、「電王戦タッグマッチを公式棋戦化すると、(プロ棋士のイメージが低下して)現行プロ制度・奨励会制度が維持できなくなる。」という意見には当方は反対だ。電王戦タッグマッチが有っても無くても、奨励会を目指す少年少女はいなくなるからだ(スマホのアプリの利用料以下)。当方の意見は違うけれど、それはそれだ。橋本崇載八段と小暮克洋記者の意見をじっくり読んでみたい。橋本崇載八段・小暮克洋記者による電王戦タッグマッチ反対の論陣を掲載することは大きな意義があると思う。

内館牧子氏は週刊新潮の記事を鵜呑みにして執筆した。内館牧子氏の論拠の裏づけの甘さに気づいて、執筆内容に厳しい注文をつける責任が将棋世界編集部にあった。執筆内容に注文をつけて、そもそも中傷記事を掲載しないのが上の上。伊藤英紀氏から抗議があったら、内館牧子氏の論拠の裏づけの甘さを指摘しなかったことを素直に詫びるのが中の中(この方が記事の内容に踏み込まずにすむ)。英紀さんからの抗議に応じないということは、将棋世界編集部や日本将棋連盟執行部も、内館さんと意見が同じであることを表明したと看做される。(読者の関心を一ヶ月以上も引っ張り続けた後の)今号の謝罪記事掲載のような編集方針は下の下だ。

抗議やクレームへの対処記事を読んで「自分が同じ立場だったら、どのように対応するか?」を考えるのは、大いに役に立つ。盛りだくさんの今号に星五つです。

2015年2月17日の伊藤英紀氏のブログについて

今号の「お詫びと記事撤回のお知らせ」は義務で掲載したのが見え見えだ。今号の「お詫びと記事撤回のお知らせ」とあわせて、伊藤英紀氏のブログ読むと非常に役に立つ。自分が当事者として抗議の矢面でどう振舞えばいいかを考えるための最高の教材だ。

英紀さんとは意見が違うことがあった。

意見が違うことその一:プロ棋士(あるいは連盟職員)であろうと無かろうと、「谷川会長が英紀さんに勝てるのは将棋盤上だけだ。」ということは誰もが知っている。中傷記事を将棋世界に掲載したところで、引かれ者の小唄だ。中傷記事を掲載しておいて訂正も謝罪もしないことで、日本将棋連盟は自身を貶めている。裁判をするまでもなく日本将棋連盟の負けだ。裁判をする意義がよく分からない。

2014年9月13日の英紀さんのツイートによれば、

「奨励会、20過ぎで三段とかだともう修正きかないのかもしれんが、それ以外の人は進路考え直した方がいいんじゃないの?何年か先にはもう(ごく一部を除いて)プロ棋士は職業として成り立たないだろう。親御さん認識してるのかな?優秀なのは間違いないんだから、ほんとプログラミングでもやってほしい」

とのことだ。時間の経過は非常にシビアだ。裁判の決着が着く前に、千駄ヶ谷の将棋会館にペンペン草とネコジャラシが生い茂り始めることだってありうる。数年で消滅するかもしれない組織相手に、何年かかるか分からない法廷闘争をするのは矛盾していると思った。

意見が違うことそのニ:LPSAの石橋幸緒代表理事の発言内容の信憑性については、英紀さんの意見に賛成だ。でも、谷川会長については意見が違う。渡部愛さんの女流棋士認証について、(田中寅彦と違い)谷川会長は柔軟に対応した。谷川会長でよかったと当方は安堵した(石橋さんも谷川会長の批判はしていない)。コンピュータ将棋との対決について引導を渡す役割は、谷川浩司にしかできないと思う。英紀さんが谷川会長に失望し激怒しているのはよーく分かるけど、谷川浩司は日本将棋連盟の会長を絶対に辞めちゃダメだと当方は強く思っている。

今号の「お詫びと記事撤回のお知らせ」を掲載した背景は何なのか、(今号だけ読んでも)わかりにくい。伊藤英紀氏のブログを併読することで、今号の価値は星十個になると思いました。

今回の電王戦ではバグが 見つかりましね。
そういう意味では電王戦にも意味があります(*^_^*)

この事件は、内館が普段の調子で「伝統文化」なる宗教を基準に個人を中傷した(それが彼女のビジネスモデル)ら、その相手がたまたまスルーしてくれない人で、内館が執筆責任・雑誌発行者と委託先が発行編集責任を取らされた、っていう単純な事件です。

囲碁協会はまともだと信じたい
将棋は閉鎖すぎる

誤字を見つけましたので報告します。

7ページの

「去年もそうですが、ツツカナ戦とかポザンナ戦とか熱戦で名玉・・・」

となっていますが

「去年もそうですが、ツツカナ戦とかポザンナ戦とか熱戦で名局・・・」

だと思います。

誤字なのかな?

9ページ、上から7行目

思われる一部のブログ閲覧者らから

正しいようなきもします。

名玉 -> 名局、たしかにご指摘の通りですね、ありがとうございます。誰も(裁判官も被告も原告も)気づかずスルーして終ってしまいましたが。

2012年の電王戦参加から名誉棄損の裁判に勝訴するまで、己の信ずる正義をつらぬかれた伊藤さんの意思の固さには、敬服するばかりです。
ただ心配なのは、伊藤さんの手元には何が残ったのでしょうか?それが心配です。お疲れ様でした。

伊藤さんはもう電王戦PVなんて見ないですか?
第4局の良かったですよ。開発者が主役でしたよ。
一成君を羽生さんと戦わせてあげたいと思ってしまった。

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