最後のピースも嵌まる
後日譚です。書くのがちょっと遅くなりましたが、事実の記録という意味で残しておきます。
裁判の発端である中傷記事を書いた将棋世界誌の「月夜の駒音」が、2015年12月号をもって連載打ち切りとなりました。
>連載読み物「月夜の駒音」[最終回] 内館牧子
とあります。
参考情報:2ch名人 将棋世界・内館コラム「月夜の駒音」が終了
他にもいくつか連載終了のものがあり、どうやら「別に裁判で負けたから打ち切りではなく、単に誌面リニューアルの一環」と言いたいようです。ですが、裁判が打ち切り決定に影響していることは容易に想像がつきます。ネットでの悪評を受け止めたのか(何しろ連盟にとっては2chの評価は重要のようですし)、はたまた直接苦情でも来たのか。ただ連盟はとにかくプライドの塊なので、裁判のせいだと認めたくないものと思われます。
元々、裁判でのこちらの要求事項は、訴状(以前の記事から)にあったとおり、4点ありました。
・賠償金
・謝罪記事
・「月夜の駒音」連載の中止
・訴訟費用の被告側負担
和解では、前の2者については予定通りかちとりました。4番めの訴訟費用については、判決でなく和解ならば各自の負担とするのが通常だし、元々そう大きい額ではないので、賠償金がとれるのならばこだわらないところです。で3番めの連載中止だけは、そのような判例がないため判決や和解に反映するのは見込み薄と考え、裁判では強く主張はしていませんで、和解でも含まれていませんでした。(被告は勝ち目なしと見て裁判外の和解を申し出てくるだろうと予想していて、その際には主張するつもりでした。)ですが結果的に、この項目も裁判終了後1年足らずで実現することとなりました。
こちらとしては賠償金と謝罪記事でも十分満足していたのですが、連載中止も実現し、勝利がより完全なものとなりました。やはり正義は勝つ、が改めて示された形です。ジャスティス!
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大組織が相手でも臆せずに訴訟していくべきですね!
最近はブラック企業やらブラックバイトやらが問題になってますからどんどん訴えるべきだと思います。たかの友梨やアリさんマークの引越社は社会的に悪評が広まりましたね。
投稿: | 2015年11月28日 (土) 17時32分
コメントいただきましたが、内容に関する私の賛否ではなく、明白な虚偽の情報をコメントとして承認することはできません、ということです。いちおう中身を見て承認の是非を判断している以上、嘘と知って承認するとこちらが非難されかねませんので。ご了承ください。
投稿: 伊藤 | 2015年11月30日 (月) 09時09分
まぁ私は今回の件で将棋連盟の馬鹿度合いが分かりました。
ただ周りの一般人にも将棋ファンにもこの件は広まってませんからね。
わざわざググッたとしてもこのブログか2ちゃんねるしか出てこない。
たかの友梨とかアリさん引越社はヤフーニュースに乗って一般人が知ることになりましたので。
余談ですが、公益法人は法人税などで優遇されるのですから理事は外部のプロ経営者がなるべきでしょうね。
傲慢な世間知らずに任せるからこうなります。
投稿: | 2015年11月30日 (月) 13時49分
賠償金がいくら知らないですが組織にとっては痛くないでしょう。
名誉毀損で敗訴したことがあるという歴史はある程度ダメージでしょうね。
ちょっと思ったんですが、将棋連盟の内部の事務職員の間ではさすがにこの件は噂になっているはずです。
それで優秀な職員が続々退職するという流れになればある意味ダメージが大きいんでしょう。
棋士にこき使われて何とも思わない将棋大好き下僕職員が多そうなのであまり期待できませんが。。。
投稿: | 2015年11月30日 (月) 14時10分
将棋世界に謝罪広告が載ったのは、将棋ファンに対しては最大級のメディア露出でしょう。将棋ファンにはある程度認知されているし、それはつまり連盟にとってダメージです。逆に言えば、謝罪広告に気づかない人は元の中傷記事にも気づいてないでしょうから、それはそれで問題ないかと。
一般人に知られてない・ニュースにならないのは、それはこの件がどうこうではなく、元々将棋連盟というもの自体が認知されてないからですよ。無名の団体が裁判で負けたって、普通わざわざニュースにしないでしょう。連盟の金づるは将棋ファンなので、一般人の認知はあまり関係ないと思います。
投稿: | 2015年12月 1日 (火) 22時02分
連盟が一方的に悪いとは思えないというのが正直な感想です。
あと、2chを最初に持ち出したのはたしか伊藤さんの方でしたよね?
当時「2chに書いてあったお(´・ω・`)」なんて言ったらそりゃ怒られるでしょ、っていうコメントした記憶があります。
その後、「2chディスられる」なんて記事を投稿してネットを味方につけようとした?にも関わらず、裁判では2chを証拠に出してきた連盟を徹底批判してたのもなんか違和感ありました。
ちなみに、韓国検察が2chの記事を証拠に出してましたね^^;
よいお年を。
投稿: low | 2015年12月 8日 (火) 05時09分
>あと、2chを最初に持ち出したのはたしか伊藤さんの方でしたよね?
??これは失礼ですがlowさんの事実誤認ではないでしょうか。私は2chを根拠に何かを主張したりはしてませんよ。
投稿: 伊藤 | 2015年12月 8日 (火) 11時50分
たしか米長さんとの対戦の交渉時に、伊藤さんが「掲示板などでも言われていますよ」という引用をされていたはずです。
つまり2chの声をご自分の主張のサポートとして引用されたということです。
伊藤さん的には「根拠」ではないかもしれませんが、少なくとも有意性を認められていた発言だと思います。
なので私は「「2chに書いてあったお(´・ω・`)」なんて言ったらそりゃ怒られるでしょ」というコメントをし、それについては賛同してくださる他のコメントもあったと記憶しています。
投稿: low | 2015年12月 8日 (火) 23時24分
その点については以下の記事で明確に否定しています。ご確認ください。
http://aleag.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-1745.html
投稿: 伊藤 | 2015年12月 9日 (水) 08時25分
おっしゃりたいことはわかりましたが、
伊藤さんが2chを持ち出し、その有意性をある程度認めた発言をされたことには別段変わりがない気もしますが。
それにこれだと当時の連盟が抱いただろう不信感は、その当時払しょくされていないような気もしますね。
(伊藤さんも抱いただろうことはわかりますが)
現在行われている叡王戦には渡辺さん羽生さんは出てません。
たしかに2ch名人等で逃げているという声を全く見かけないわけでもないですが、それほど大きな声にならないのは皆さん大人なんだなあと思います。
投稿: low | 2015年12月 9日 (水) 18時34分
>伊藤さんが2chを持ち出し、その有意性をある程度認めた発言をされたことには別段変わりがない気もしますが。
上記の記事で私は、lowさんの主張を証拠を挙げてはっきり否定しました。それでなお理解されないというのであれば、これ以上議論しても無駄だと思います。
投稿: 伊藤 | 2015年12月 9日 (水) 20時44分
2chを根拠にするのはだめなの?
2chの中に事実やら重要な情報やら本心やらも
結構あると思うんだけど。
投稿: | 2015年12月 9日 (水) 23時17分
AとBが裁判で和解したという素晴らしい話なのに、こうまでコメントが荒れるのか。
投稿: uiti | 2016年2月23日 (火) 21時12分
ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏が、だいぶん前に、日経
テクノロジーで。「人間は終わるんですよ・・」という表題の記事を書いて
いましたが。この題名には「悪い」を付けるべきなのではないかと、
このブログも一読したうえで、最近真剣に考えるようになりました。
投稿: 長さん | 2016年5月25日 (水) 16時19分
今更ながら電王戦叡王戦をニコニコ動画で見て、興味を持って記事を漁っていった先にこのブログにたどり着いてしまった私のような人も居ます
伊藤さんはよく裁判に踏み切ったと賞賛したい。と同時にやっぱり一般人にとって、裁判とは全く不便なサービスだなと思わずにはいられません。伊藤さんもおっしゃっていたように大多数の勤め人は気軽に裁判にも行けません。余裕のない社会人にとって訴訟に踏み切るのはコスパ(?)が悪すぎます
投稿: lot | 2016年6月20日 (月) 22時18分
三浦九段の事件について色々見てると、
将棋連盟の弁護士が2chの情報を裁判所に持ち込んだというコメントをよく見かけ、だれが作ったデマだと思ったのですが、いやまさか事実だったとは。
このときも今も連盟はずいぶんと体質に問題がありそうですね。
投稿: | 2016年10月18日 (火) 22時04分
ありゃ、そうでしたか。御覧の通り、れっきとした事実です。でもたしかに、ちょっと聞いただけではにわかに信じ難い、というのはよくわかりますw
投稿: 伊藤 | 2016年10月19日 (水) 00時34分
初めまして。年の瀬の慌ただしいなかコメント失礼致します。
この裁判の存在は当時から知っていたのですが、その時は将棋連盟や棋士の方々の方を擁護する気持ちが強かったですし、こういう記録をブログで公開する必要や意味があるのだろうか?と伊藤さんの姿勢を疑問に思っていました。
しかし今回の三浦弘行九段のスマホ不正使用疑惑の騒動を見ていて、将棋連盟の会長や理事、棋士の方々の判断力や人間性、常識について自分は見誤っていたのではないかと認識を大きく改めました。
その為にこちらの記事群はとても参考になりました。
これまでの伊藤さんへの否定的な見方を謝罪致します。ごめんなさい。そして有用な記事を記して頂き本当にありがとうございました。
今年も残り僅かとなりましたがどうぞお身体を大切に良いお年をお迎え下さいませ。
投稿: なお | 2016年12月31日 (土) 20時54分
コメントありがとうございます。多少なりとも参考になったとすれば、こちらとしても書いた甲斐があったというものです。謝罪などには及ばないですよ。なおさんのように、当初は私に対して否定的な意見を持っていたが、三浦事件を経て私の言っていたことが実感として理解できるようになった、という方はかなりいらっしゃるようです。
投稿: 伊藤 | 2016年12月31日 (土) 21時41分
まさかと思うけど、仮に今後三浦先生と連盟が裁判になったら、連盟は2ちゃんのログを証拠に出して、ほら、こんなに疑っていた人がいますよとか言い出さないだろうなぁと、ちょっと不安になりました。
会長も替わることだし、さすがにそういうことはないと思いたいのですが。
というか、三浦先生とはさすがに裁判の一歩手前でちゃんと和解していただきたいですが。
投稿: | 2017年3月 1日 (水) 22時55分
「内館牧子氏は週刊新潮の記事を鵜呑みにして執筆した。」という意見もありますが、
今になって思えば、ひょっとして連携プレーだったのかも…?
さておき、それにしても「非礼」記事の週刊新潮をあげつらい伊藤氏を中傷する内館氏が最終的にブーメランとなっているのは、なんとも皮肉ですね。
伊藤氏が裁判を起こしたのは2013年12月19日。
米長氏が将棋連盟会長のまま亡くなったのが2012年12月18日。
米長氏と連盟の喪が明けるのを待ってからの行動、ですよね?
これだけでも、伊藤氏が米長氏に棋士としても連盟会長としても電王戦の対戦相手として敬意(弔意)を表しており、礼儀をわきまえていることが普通は理解できるはずです。
一方の内館氏はというと…
「月夜の駒音」の米長氏の追悼記事もどこか他人事のような文章だったし、おまけに喪中に一般人を誌上で攻撃とか。
本当に「非礼」なのはどっちだ!?て話です。
今更かもしれませんが、改めてあの時裁判に打って出た伊藤氏の勇気を称えます。
あれがまかり通っていたら、後に内館氏が連盟の理事になり、何年か後に何かの間違いで内館会長爆誕?という事態になった可能性もあり、そうならなくて本当に良かったと今も思います。
(この裁判の教訓が活かされていれば、三浦九段があのようにはならなかったと思いますが…)
通りすがり失礼しました。
投稿: 通りすがり | 2024年11月 7日 (木) 00時30分
さらに、内館氏や将棋連盟側の思惑に対して以前から疑念が幾つかありました。
(※我々もすぐには見抜けない程に、相手側(特に連盟)は周到なカラクリを仕掛けていた、という意味。この点では「彼らも伊達に将棋で鍛えられてはいないな。」とは思いましたね。)
まず、内館氏に関しては、本人が後にインタビューで
「将棋は1年程でギブアップした。」と明言しています。
米長会長(当時)に「将棋教えて」と頼み込んでおいて…?と唖然としましたが、
もっと信じられないのは、その後も何年にも渡り将棋世界で連載を続け将棋連盟に関与し続けていた事実です。
「将棋に飽きたのなら、その時点で連載もやめれば良かったのに。それなら伊藤氏もあんな災難にならずに済んだだろうに…」
残念でなりません。
(※結局、内館氏の関心は「将棋」じゃなくて「日本将棋連盟」そのものだったのかもしれませんね。)
また、この裁判絡みに絞っても
①連盟は当初は争う姿勢を見せる「内館擁護」だったのに、なぜ後になって突然「内館氏が勝手にやった」と「内館切り捨て」に転換したのか?(あるいは、できたのか?)
→内館氏は文化人として様々な役職を歴任しており、マスコミ・政治家にもパイプを有し(※当時は安倍政権)、裁判当初は連盟も本人を(バック込みで)かなり恐れていたのでは?
しかし、何らかの「擁護しなくてもいい程の事情の変化」が連盟に起こっていた可能性が考えられる。
②内館氏の「月夜の駒音」連載終了は将棋世界2015年12月号だが、謝罪広告は裁判終結から短い同年2月号だったにも関わらず連載終了が12月号まで長引いたのはなぜか?
→おそらく、伊藤氏の仰るような「打ち切り」ではなく、元から2015年12月号までが連載の契約期限だった可能性が考えられる。
(※すでに米長氏が亡くなっていた当時の連盟に、内館氏に「打ち切り」できるほど物言える人材が居たようには思えない…)
などがありました。
さらに、裁判中も伊藤氏の裁判戦術に対し「?」なところも一応ありました。
例えば、
・伊藤氏はなぜ「週刊新潮(新潮社)」だけ訴えなかったのか?
(※個人的には、新潮と内館氏がグルだった可能性を疑ってますが。)
・伊藤氏の、内館氏への非難が裁判中にどんどん「トーンダウン」していった背景は何か?
(※ここは、未だに解せません。何らかの圧力があった可能性を今も疑ってますが。)
などです。
…それでも、裁判を最後までやり遂げた伊藤氏の行動と勇気に感謝しています。
裁判中は様々な「大人の事情」に振り回されたでしょうし、誰でも出来ることではないからです。
あそこで歯止めを掛けなければ、他のコンピューター将棋関係者やドワンゴも同じように攻撃されて悲惨な事態になっていたかもしれない…
そう考えると、伊藤氏の行動には大きな意味があったと今も思います。
この件は、「もしも自分が同じ事態に巻き込まれてしまったら…」を考える機会になりましたし、同じ思いの将棋ファンも当時少なくなかったはずです。
できれば、伊藤氏にはYouTubeなどで当時の裏話や今の心境を語ってもらえると個人的には嬉しいのですが…
(※「達人戦の復活」をどう思うか?なども聞いてみたいです。)
ありがとうございました。
投稿: 通りすがり | 2024年11月12日 (火) 18時58分